パール
基礎知識 パールの種類 パールの構造&形成 パールの養殖

パールの種類

海  水  産

和珠・・・アコヤ貝
和珠
きめ細かい11mm以下のパールで、ツヤのある、深みのある光沢が特徴です。パールといえば、この貝で養殖したものを意味することが多いようです。

主な養殖地は日本ですが、中国でも養殖アコヤパールの生産が活発になってきています。

南洋パール(白蝶パール)・・・白蝶貝(シロチョウガイ)
南洋パール
母貝である白蝶貝はアコヤ貝と同じ系統に属していますが、アコヤ貝よりもずっと大きいため、採れるパールも直径13mm以上といった、大型で真珠層の厚いものになります。

この貝は赤道を中心とした熱帯の海にしか生息していないため、南洋で養殖が行われています。主な養殖地はオーストラリア、インドネシア、フィリピン、タイ、ミャンマー、日本の奄美大島などですが、オーストラリア、インドネシアで全体の9%を占めています。(生産量はアコヤ貝真珠の100分の一程度。)

巻きが厚いため、かえって真円の形となりにくく、バロック(変形)になることが多いといえます。美しい銀白色の大粒のものが高く評価されます。


黒蝶パール・・・黒蝶貝(クロチョウガイ)
黒蝶パール
珊瑚礁に生息する大型の貝、黒蝶貝から採取されるパールで、10ミリ以上あるのが大部分です。珠によって色の濃淡には幅があり、ダーク系、グレー系シルバー、ブルー系、グリーン系、ブラウン系に大別されています。中でも、くじゃくの羽のようなピンクがかった黒は、ピーコックカラーと呼ばれ、高く評価されます。

主要な養殖地はタヒチですが、日本の石垣島でも行われています。

マベパール・・・マベ貝

マベパール

マベ貝は、熱帯から亜熱帯に生息している大型の貝です。そこから採れるマベパールは、半円形やスリークォーター(3/4という意味)の形をなし、美しいレインボーカラーの光沢が特徴です。(半形、スリークオーターのパールは、白蝶貝、黒蝶貝からも採取されます。)

マベ貝は、アコヤ貝、白蝶貝、黒蝶貝のようなウグイスガイ科とは分類上やや異なるため、まだ真円パールの養殖には成功していません。生きている貝の貝殻内面に半球状の核を貼り付けて、外套膜の貝殻形成力をそのまま利用して作るのが半形パールです。球状の核を貼り付けて作るのがスリークォーター真珠です。

主な養殖地は、奄美大島から沖縄です。


コンクパール・・・コンク貝
コンクパール


コンクパールは、カリブ海・西インド諸島で採れるコンク貝から生まれます。コンク貝は貝殻もピンク色の美しい巻き貝ですが、真珠層を作らないため、このパールは正式には凝固物です。したがってパールの光沢はもちません。

火炎模様(フレーム・ストラクチャー)が見られものほど、良質なコンクパールとされています。

養殖ができないため、コンクパールは高い稀少性を持っています。



淡  水  産

淡水パール・・・イケチョウ貝、カラス貝等

淡水パール
湖や河に生息する貝から採れる、比較的小粒のパールです。

その大半は、核を使わずにピースだけを体内に移植して作られるため(無核パール)、平べったい棒状や米粒に似たものなど、さまざまな形に成長します。また、白色のほかにオレンジ、ピンク、ブルーなど、色の豊富なのが特徴です。

カジュアルなアクサセリーとしてもよく用いられています。

主な養殖地は中国、そして日本の琵琶湖、霞ヶ浦です。
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