透明度の高い紫色を呈するアメシスト。古代より、紫は高貴な色として特別に愛され、アメシストはその象徴として用いられてきました。 新約聖書には、アメシストが神殿の土台石に使われていたことが記されています。また、中世ヨーロッパでは、キリスト教司祭の指に威厳と尊厳のシンボルとしてはめられたといいます。
「紫水晶」という和名からも分かるように、アメシストは水晶の一種です。(石英という鉱物からなる宝石のうち、透明なものを水晶と呼びます) アメシストには多色性があり、見る角度により、青または赤みがかかった紫色になります。 熱処理によって黄色に変化させ、シトリンにされることもあります。シトリンとアメトリンがひとつの結晶の中にあるものをアメトリンと呼びます。 ※日本ではしばしば「アメジスト」とも呼ばれますが、正式名称は「アメシスト」。
ブラジルやアフリカのザンビア、南米のウルグアイ、ロシアのウラル山脈などで高品質のものが多数産出されます。ロシア産は赤を帯び、カナダ産は菫色。その他スリランカ、インド、ウルグアイ、マダガスカル、アメリカ合集国、ドイツ、オーストラリア、ナミビア、ザンビアでも産します。
日本人は昔から、高貴な色として特に紫色を好んできました。アメシストの紫色はゴールドと愛称がよいので、ゴールドジュエリーと組み合わせるのも良いでしょう。和装にも似合う石として人気があります。