身につけた人が次々と死んでいく―、呪われたブルーダイヤモンド。17世紀のこと、インドを旅していたフランスの宝石商タヴェルニエが、112.5カラットもある大きなブルー・ダイヤモンドを手にしました。彼は後に、ロシアで野犬に食い殺されたといいます。
その後、フランス王ルイ14世に買い取られ、ハート型(約68カラット)にリカットされます。王は天然痘で病死、また後の所有者、ルイ15世の愛人デュ・バリュー夫人やルイ16世王妃マリー・マントワネットが断頭台の露へと消えたのはご存知の通りです。
フランス革命に紛れていったんは行方をくらましたこのブルーダイヤ、後にダニエル=エリアソンという人物の所有となって再び世に姿を現わしますが、彼はロンドンに亡命。1830年、そこで現在のオーバル型(44.5カラット)に再びリカットされます。
同年1830年、銀行家ホープの手に渡りますが、彼も独身のまま世を去り、ホープ家は破産。(『ホープ」の名はここからきています)その後も自殺、事故などを引き起こしながら、カルティエ社を経て大富豪マクレーン夫人のもとにきました。夫人は呪いがとけるよう牧師にお祈りしてもらったのですが、そのかいもなく息子が9歳で交通事故死。夫は発狂して死亡。娘も25歳で死んでしまいました。
彼女の死後、ホープは宝石商ハリー・ウインストンのものとなり、彼の手でワシントンのスミソニアン博物館に寄贈されました。 |