映画の中のジュエリー
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『エリザベス』

ストーリー

 舞台は16世紀のイングランド、旧教と新教の間で絶えず争いが起こっていた。英国王ヘンリー8世とその愛人の間に生まれたエリザベス(新教側)は、腹違いの姉、メアリー女王(旧教側)に、反逆の疑いでロンドン塔に送られる。その後メアリー女王は病死、 1558年、エリザベスは25歳で新女王に即位する。
 逼迫した財政、宗教の対立と厳しい情勢の中、彼女を失脚させようという動きは絶えない。暗殺、陰謀、裏切り、権力抗争が入り混じった英国史上最大の危機に直面しながらも、エリザベスは王者として成長していき、「ヴァージン・クィーン」としてイングランドに君臨する―。

監督:シュカール・カプール  1998年イギリス
ケイト・ブランシェット

華やかでありながら、ドロドロとしたドラマチックな映画デス。予備知識をすっとばしたストーリーなので、時代背景&人物関係をさらっと予習してから見る方が良いかもしれませんね。何十年もかけて起こったことを2年に凝縮していて、フィクションの部分もも混じっております。
監督がインド人!だから、ダンスのシーンが多かったのでしょうか(笑)。

映画の中のコスチューム

これぞコスチューム映画の決定版!豪華絢爛な衣裳が、これでもかぁ〜っと続々と登場します。これがまた、ほんっと時代物の衣装が似合うんですね、ケイト・ブランシェット。

(ちなみに、『恋に落ちたシェイクスピア』ではジュディ・デンチがエリザベス女王役で登場してます。(イラストはこちら)。あまりにも雰囲気は違いますが、クラクラっとくるような衣裳と存在感は共通してますね。)


エリザベス エリザベス 後の女王様も、最初はいたいけな(?)娘さんであります。王位継承権はあるし、宗教も違うということでソッコー閉じ込められてしまいますが・・・・・。凛としながらも怯えた様子が初々しいエリザベス。そして、恋する乙女なんですねぇ。

最初から衣裳は優雅なものですが、あんまり“こてこて”していません。生地も、どちらかといえば柔らかそうで、動きやすそう。後々、素材もデザインも、どんどん重厚に、いかつくなっていくのですヨ。
エリザベス ←戴冠式のシーンは圧巻!実際の戴冠式はウェストミンスター寺院で行われのですが、映画の撮影にはヨーク・ミンスターという大聖堂が使用されました。イギリス最大のゴシック建築で、ステンドグラスがとっても美しい聖堂です。何でも、撮影が許可されたのはこの作品が初めてだとか。

このシーンを撮影するに当たっては、実際の肖像画をもとに考証、衣裳もセットも忠実に再現されたそうです。ずるずると引きずりそうなコスチュームはすごいの一言!かなり暑そうですが・・・。そして、お顔まで肖像画にそっくりなのです。


エリザベス エリザベス 威厳が伴うとともに、だんだんとドレスもいかめしくなっていきます。髪もゴージャスにアップしたり、くりくりになったり・・・。そして化粧も変わってますね。もともと眉毛は薄いのですが、ますます薄〜く薄〜くなっちゃう。この眉は、脱色していたそうです。

ドレスは、どれをとってもデザイン世が高く、現代の女性たちでもあこがれてしまうシロモノです。実際、どんな素材は使われているか手にとって見たみたいものですねぇ^^。

ケイト・ブランシェット
←ラストシーン、極めつけがコレ。イラストにするとウケ狙いのように見えてしまいますが、実は切なく、感動するシーンなんですってば!
英国とともに生きることを決意し、髪を切り、白いおしろいを塗って皆の前に登場します。ここに、「ヴァージン・クィーン」が誕生するわけですね。・・・・怖いぐらいに、肖像画にそっくり!

クビがえりまきトカゲ(死語?)になってますが、これは顔を小さく見せるだめだとか。いや、ここまでしなくても・・・とツッコミを入れてはいけません。

最後に・・・・、舞台裏のお話。撮影中は、毎日ヘアメイクに2時間ぐらいかかったそうです。眉は脱色されてるし、生え際も剃っていたとか。なかなか外には出られなかったことでしょうね〜。 そしてインタビューでは、「ドレスが重くて動きにくかった」と語っています。いや、そりゃそうだろう(笑)。

エリザベス1世のおしゃれ

エリザベス1世は、偉大な統治者であると同時に、時代のファッション・リーダーでもありました。アクセサリーも膨大な数を所有、パールのアクセサリーだけでも300種類以上!そういえば、映画の中でもパール(本物かどうかは定かではありませんが)がたくさん使われてますね。ドレスにも、本物のジュエリーが一面にちりばめられていたといいます。豪華ではありますが・・・・やっぱり動きにくそう!

先ほど、「眉は脱色、生え際も剃っていた」と書きましたが、これもれっきとしたおしゃれ法だったのです。この頃、「広い額=美人」というおしゃれ概念があったのです。平安時代の「長い髪=セクシー」みたいなもんでしょうか?というわけで、前髪の生え際を剃り上げたり、眉をそり落としたりして、少しでも額を広く見せようとしてたのです。そしてその広く(見える)額に、パールなどのジュエリーで飾りつけるのが、貴婦人のおしゃれだったのです。

映画『エリザベス』の感想に、「眉が薄かった」と皆さん必ず描きますが・・・・あれは当時最高のおしゃれを再現してたのですね(笑)。

ラストシーンの真っ白なお顔はおいといて、おしろいの厚塗りもエリザベス1世のおしゃれでした。なんとワイン洗顔なども行っていたそうです、何てゼイタク。美白の先頭を切ってたのね、女王サマ^^;。

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