映画の中のジュエリー
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『恋に落ちたシェイクスピア』

グウィネス・パルトロウ
ストーリー
 舞台は16世紀末、ロンドン。スランプに陥っていた劇作家シェイクスピア(ジョセフ・ファインズ)は、貴婦人ヴァイオラ(グウィネス・パルトロウ)の出現によってインスピレーションを呼び覚まされる。一方ヴァイオラは、女子禁制だった舞台に立つことを夢見て、男装してオーディションに参加、男優としてもシェイクスピアの心を奪う。
 たちまち恋に落ちる二人、しかし彼女には女王も認める婚約者がいた。許されぬ恋ゆえにいっそう燃え上がる情熱に創作意欲をかき立てられ、愛の会話は脚本となり、新作「ロミオとジュリエットが出来上がっていくが、それは喜劇から悲劇へと変わって行く。
 本番寸前、ロミオ役が女性だということが周りにばれて、舞台は打ち切りとなってしまい、運命は2人の間をも裂き始める・・・。
監督:ジョン・マッテン 1998年アメリカ
脚本 マーク・ノーマン、ドナ・ジグリオッティ


バロック・パールのネックレス

グウィネス・パルトロウ『恋に落ちたシェイクスピア』は1998年度アカデミー賞受作品。ラブストーリーとしてはもちろん、シェイクスピア劇の名ゼリフや、エリザベス朝のドレス、アクセサリー類はがたっぷり楽しめる映画です。

金髪のふわふわの髪をなびかせ、きらびやかな衣裳をまとったグウィネス・パルトロウはとてもすてきでしたね。中でも、彼女の細い首にひときわ似合っていたのが、動きのあるバロック・パールのネックレス。バロックとはポルトガル語で「歪んだ」という意味、バロック・パールは真円ではないパール。16世紀のヨーロッパでは、宝飾品にバロック・パールがとりわけ好んで使われていました。

バロック・パールは今でいうアンティーク・ジュエリーでもよく見られますよね。新円パールにはない、独特の優しさやおもしろみがあります。

ヴァイオラの婚約者、ウェセックス卿(コリン・ファース)やシェイクスピア(ジョセフ・ファインズ)もパールのイヤリングをつけていました。当時は男性でも(特に特権階級)アクセサリー、ジュエリーをよくつけていたようです。

余談ですが、もともと、ヴァイオラ役にキャスティングされていたのはジュリア・ロバーツだったそうです。ジュリア・ロバーツが身に付けたら、このパール・ネックレスの印象もガラっと変わってしまうのではないかしら?


エリバベス女王の装い

ジュディ・デンチ

10分にも満たない登場にも関わらず、助演女優賞をせしめてしまったのが、エリザベス女王役のジュディ・デンチ。女優として貫禄、存在感はもちろんあるとしても、あの小林幸子ばりの衣裳の功績も無視できないのではないか、と思う今日この頃です(笑)。(「イラスト描くのに大変苦労しました^^;。」−デザイナー談)

エリザベス一世といえば、「ヴァージン・クイーン」としてイギリス王国の基盤を築いた、偉大な人物。ファッションその他、様々な生活様式を現在に伝えています。

イラストの髪はカツラ頭。何でも、常時200個以上のカツラを持っていたそうです。肖像画にもよく登場する、エリマリトカゲのようなラフ・カラーは、カツラとともに、顔を小さく見せるためだったとか。何か羽までついちゃってますけど(笑)。

金糸刺繍、宝石を縫い付けたドレスは豪華絢爛!ずいぶん重そうですね^^。パールのアクセサリーは300種類以上もっていたそう。また、伝染病から身を守るためにいつもダイヤモンドを身に着けていたということです。美しさはもちろん、神秘的なパワー、そして権力の象徴としても、宝石は重要な役割を果たしていました。

最後に、このエリザベス女王、「初めて○○しました」が多いんですね。腕時計を初めて着用した(もちろん、宝石をちりばめたゴージャスなもの)、世界で初めて水洗トイレを使ったのも、エリザベス1世だということです。

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