カラーストーン－サファイア


カラーストーン（HOME)	鑑別書の見方

`硬度`	`比重`	`屈折率`
`9`	`4.00`	`1.76-1.77`

`和名`	`青玉`
`色`	`無色、青、緑、紫、黄色、黄金色ピンク、帯橙ピンク色、褐色`
`宝石ことば`	`慈愛、誠実、徳望`
`備考`	`9月の誕生石、23年目の結婚記念石`
`類似石`	`タンザナイト、アイオライト`

吸い込まれそうなほど、深く気高いブルー。聖なる石サファイアは、古代より人々の心を落ち着かせ、誠実の証として珍重されてきました。ルビーと同様に高い耐久性、希少性を誇り、大変価値の高いジュエリーです。

●鉱物の種類

ルビーと同様、コランダムという鉱物に属します。コランダムのうち、赤色以外の色調はすべてサファイアと総称されます。コランダムは本来無色の鉱物なのですが、不純物が取り込まれることによって、豊富なカラー・バリエーションを生みます。最も有名な青色のほか、様々な色のサファイアが存在します。

●産地

かつての主要産地、インドやミャンマーでは大粒で良質なサファイアはほとんど取れなくなり、現在では良質のサファイアの産出はほとんどスリランカに頼っている状態です。中でも、インドのカシミール地方で産するサファイアはコーンフラワー（矢車菊）ブルーの石で、最高品質の「幻の逸品」として、大変な希少価値を誇っています。ピンクとオレンジの中間色を放つパパラチアサファイアも大変希少価値が高く、これはスリランカでのみ産出します。スター効果を示すコランダムは、ミャンマー、スリランカで産出しますが、高品質のものはほとんどスリランカに限定されます。タイ、オーストラリア、カンボジアの他、マダガスカルでもサファイアを産出するようになりました。マダガスカル産のサファイアは、特にはスリランカ産をはるかに凌ぐ特級品も見つかっており、注目されています。

`ミャンマー`	`やや紫がかった青色で良質のものが産出します。`
`タイ`	`やや暗い濃青色のものが産出します。（中級品）`
`スリランカ`	`薄い青色から中粒の、透明度の高い青色のものが産出します。パパラチアサファイアも産出します。`
`カンボジア（パイリン）`	`濃い鮮やかなブルーのものが産出します。`
`オーストラリア`	`インクブルーの青色のものが産出します。（低級品）`

●サファイアの品質

ブルーサファイアの最高品質は、透明度の高い、紫がかった深い青色で、コーンフラワー（矢車菊）ブルーがひとつの基準となっています。暗い青色や緑がかったブルーサファイアはあまり評価されません。

●特徴

･	`ルビーとは異なり、比較的大粒のものが産出します。`
･	`色調を整える目的で、一般的に熱処理によるエンハンスメント（品質改良）が行われています。`

●バラエティ

★スターサファイアサファイアにも、スタールビーと同様に6条の光が反射するスター石があります。ブルーの他、バイオレットのものもあります。

★パパラチアサファイアパパテチアとは、ピンクかがったオレンジ色のサファイアのことで、大変な希少価値があります。この名はシンハリ語（スリランカ語）で「蓮の花のつぼみ」を意味します。

知性と上品さを醸し出す、高貴なブルーサファイア。ブルーサファイアは大粒のものが産出するため、ボリュームのあるジュエリーが楽しめます。大ぶりなものをつけても派手になりすぎず、エレガントさを保てるのも魅力のポイント。暗い色のブルーサファイアと鮮やかな黄色をコーディネートすると、ブルーサファイアの透明感が損なわれることがありますので、ご注意を。

●取り扱い

モース硬度9で、ダイヤモンドに次ぐ硬さ。取り扱いには特に注意することはありませんが、高価なものですので、家事など、作業をするときははずした方がいいでしょう。

●タンザナイトとの見分け方

カット面をルーペで見ますと、サファイアは角がきれいに出ますが、タンザナイトは心持ち丸く見えます。

●合成サファイア

合成サファイアは19世紀後半に製造されはじめましたが、商業ベースの量が生産されたのは20世紀初頭になってからです。