リージェント

「リージェント」はインド産で重量は140.5カラットです。発見されたのは18世紀初めのインド、当時は410カラットもあった巨大な原石を発掘した鉱夫は、自分のふくらはぎにキズを作り、そこにダイヤモンドを隠して脱走します。儲けの半分を支払うことを条件に船にのせてもらいますが、その船の船長はダイヤモンド欲しさに鉱夫を殺して海に放り込んでしまいます。その後、彼は鉱夫の怨念に悩まされて、首吊り自殺をしたといいます。

イギリス商人ピットがこのダイヤモンドを購入しましたが、ダイヤモンドとともに自分の命も奪われるのではないかという恐怖感に苛まれ、ノイローゼになってしまいます。ピットは、ダイヤモンドを守るために常に変装して居所を替え続けたといいます。

次に、ピットからフランスの摂政、オルレアン公に売り渡されます。「リージェント」とは「摂政」のこと、以来そう呼ばれるようになりました。

その後、1717年フランスのマリーアントワネットの黒色のベルベット帽に飾られたり、またナポレオンの戴冠式用の柄などと持ち主が点々と変わりました。 革命後は「ホープ」などとともに紛失しますが、一年後、パリのとある屋根裏部屋で発見されます。パリ陥落寸前にはシャンボール城の石の板の裏に隠されて無事だったという話も伝わっている、不思議な運命をもつ宝石。

現在はルーブル美術館のナポレオンの間に展示されています。

<戻る>