黒太子のルビー

14世紀からイギリス王室に受け継がれてきた黒太子のルビーは、317カラットもある大きなものでカットはされずに研磨だけを行ってあります。

14世紀のイギリス王室エドワード3世の息子のエドワード皇太子が黒太子と呼ばれていました。
彼は戦争の際には必ず黒い甲冑を身につけ、大変に恐れられていたそうです。

1376年にカスティリアの王ペドロは兄弟が起こしたクーデターで国を追われエドワードに助けを求めます。エドワードはカスティリアに攻め込み、見事形勢逆転しペドロを復権させました。
この戦いのお礼に贈られた宝石が後に黒太子のルビーと言われるようになりました。
エドワードはこの戦いで亡くなっています。


また1411年、アザンクールの戦いでヘンリー5世の鎧の下に治められた王を守り、フランス王位を巡る戦いに勝利を収めています。戦場でイギリス王を守ってきた黒太子のルビーは19世紀ビクトリア女王の第一王冠に装着され、王室の守護石となってきました。

しかし、この「黒太子のルビー」なんと実はスピネルだったのです。
現在もこの石は「黒太子のルビー」と呼ばれ、ロンドン塔に陳列され、歴代王女の戴冠式には王冠に燦然と輝いています。
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