コイヌール


古代インドの叙事詩「マハバーラタ」にも登場する、世界最古のダイヤモンド。今から5000年前、インドで発見された時は1000カラットあったともいわれています。
「光の山」を意味するこのダイヤモンドは、18世紀、ペルシャ王ナディールがムガール帝国を制圧したのと同時に、ハーレムの女の裏切りでナディール王のものとなりました。彼は反乱軍に暗殺されるという運命をたどります。息子のロク王子は、ダイヤの行方をいわないので拷問されていまいます。
王の死後、ダイヤは援軍のアフガン王のものとなりますが、その孫ザマン王は弟に王座を奪われ、拷問の末にこの宝石をとられてしまいました。その弟もまた同じ目に。
「コ・イ・ヌール」はその後もさらなる争いや拷問を巻き起こしましたが、19世紀、イギリスのヴィクトリア女王の手に渡ってから、悲劇はおさまりました。女性には幸福をもたらす石だったのかもしれません。
現在は英国所有としてロンドン塔におさまっています。

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