グレート・ムガール


“グレート・ムガール”とは、“ムガール皇帝”という意味。インドで発見されたもののうち、もっとも古く、大きいダイヤモンドと言われています。しかし、神秘のヴェールに包まれたこのダイヤモンドは、記録の上でしか知ることができません。単なる伝説なのか、それとも・・・。

インドを旅したタヴェルニエの言葉を借りると、1665年5月、国王の部屋で、黄金を散りばめた盆に載せて、およそ300カラットものダイヤが運ばれてきたといいます。王の話では、原石は787.5カラットもあったそうですが、インドにいたヴェネツィア人にカットさせたところ、こんなに小さく研磨されてしまったのだとか。この哀れなベネツィア人は、報酬を受けとるどころか、罰金として全財産を取り上げられてしまいました。 この後、「グレート・ムガール」は歴史上から姿を消してしまいます。

後になって、この「グレート・ムガール」は、実は「コイヌール」や「オルロフ」といった有名なダイヤモンドのことではないかといううわさもささやかれますが、真相は闇に紛れ込んだまま。今となっては、知る手だてはありません。

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