どーしてもサティーンをものにしたい公爵が、彼女に贈ったダイヤモンドのネックレス。首をすっぽり包み込む超豪華なネックレス(ていうか首にささりそうな勢い)・・・・これは何と、映画のためにわざわざ製作された本物のダイヤモンドレックレス!ふつう、フェイクか、良くてもレンタルジュエリーですもん。すごいこだわりようです^^。映画用に制作したジュエリーとしてはもっともお高い一品だとか。
デザイン&製作は、オーストラリアの宝飾デザイナー、ステファノ・カンチュリ氏。彼は、世界最大級のダイヤモンド会社ロージィ・ブルーが研磨・カットしたダイヤモンドの中から、ネックレスに使用する石を自分で選り抜きました。19世紀末のパリらしさを出すため、セッティングも当時のやり方というこだわりよう。
使用したのは、エメラルドカットのダイヤ5カラットを含む、総計134カラット、全部で1,308個!その名も“サティーン”・・・・いや、そのままなんですけどね(笑)。ちゃーんと、ニコールの首の長さや形に合うよう精巧に作られています。デザインに1ヶ月、製作には3ヶ月もかかったとか。
いやしかし、水を差すようで何ですが・・・・このネックレス、もちろん、まばゆいばかりに美しくきらびやかなんですが、いかんせん、映画自体がきんきらきんでギンギラギンなもんで・・・本物だからって、特にそないに目立ってなかったような・・・。といいますか、派手派手のスクリーンに、もうすでに目がチカチカしちゃってるんです。(結局サティーンも、もらったものの逃げてっちゃうしな〜。)フツーの恋愛映画なんかで使用すればそれこそ目玉になったでしょうが・・・・。いや、別にいいんですけどね^^;。
19世紀当時のセッティングとして採用されたのが、「ガーランドスタイル」というもの。「花綱飾り」や「花手綱模様」とも呼ばれますね。花や葉が組み合わさったデザインを、プラチナ台に糸ノコギリで引いて、精巧な透かし模様を作っていく、という技法。繊細に仕上げるため、熟練の技が必要なのです。
このガーランドスタイルの生みの親は、カルティエの3代目当主である ルイ・カルティエ。
19世紀末、プラチナが積極的に使われるようになり、アフリカではダイヤモンド鉱脈の発見され、ダイヤモンドラッシュが起こりました。そんな中、ルイは18世紀の建築装飾にヒントを得て、プラチナと小粒のダイヤを組み合わせ、お花をモチーフにジュエリーを製作したのです。これがガーランドスタイルとして、瞬く間に広まっていきました。
映画で使用された後、「"サティーン"は2001年10月22日と23日にニューヨークのクリスティーズでオークションにかけられまーす。欲しい人はいらっしゃーい」みたいな告知が大々的になされました。落札価格は70万ドルから100万ドル(約8400万円から1億2000万円)ほども予想されており、さぁいったい誰が落札するのか?と期待が高まったものですが・・・・・。最後の最後になって、デザイナーさんが、出品を取りやめにしたのですって。何でも、始まる数分前に電話してきて、「やっぱり手放すのが惜しい」って^^;。そりゃ、そこまで愛着込めて作ったんだから分かるような気がしますが、じゃあ最初からしまっとけよ〜って思いますね(笑)。
|