1884年。巧妙な盗人テオフラスト・ルパンを父に、ドルー・スービーズ公爵夫人の妹アンリエット・ダンドレジーを母に持つアルセーヌ・ルパンは、ドルー・スービーズ公爵の城館で、謎めいた絵画やフランス王家から伝わる見事な財宝に囲まれて育った。
中でもかつてマリー・アントワネットが所有しており今は公爵夫人の持ち物となっている、宝石のちりばめられた豪奢なネックレスは、魅惑の品だった。アルセーヌ(ロマン・デュリス)はこのネックレスを盗人の父親に頼まれ盗み出したが父親がそれを持って逃走した。
しかし翌朝、城館からほど遠くない場所で撲殺された身元不明の死体が見つかり、その指にはルパンの父親の指輪が光っていた。
これが証拠となりルパンと母親は喪も明けぬまま館を追い出されてしまう。
大人になったアルセーヌはある日、謎解きの鍵となりそうな一通の古い文書を見つける。
そして聞き捨てならない会話を耳にし、名士たちの秘密の会合を知る。
それは王家の財宝をねらい、フランス王権を主張するオルレアン公爵を王座につけようともくらむ陰謀だった。
一方、アルセーヌは不思議な儀式を目撃する。 それは一つの十字架がこの地方のいくつかの僧院に隠されている他の十字架のありかを示しており、それぞれがパズルのピースとなっているのだった。謎解きが始まった。
しかしアルセーヌだけでなく、カリオストロ伯爵夫人ジョセフィーヌ(クリスティン・スコット・トーマス)と謎の男ボーマニャン(パスカル・グレゴリー)もそれを狙っており、しかも2人は自分の父親と何か関係があるとアルセーヌは知る。
3人が互いに騙し、騙され王家の財宝へと近づいていき、ジョセフィーヌとボーマニャンの秘密も明らかになっていく・・・
2004/仏 監督:ジャンニポール・サロメ
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