映画の中のジュエリー
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『風と共に去りぬ』

ストーリー

 舞台は、南北戦争直前のアメリカ南部の町タラ。大農場主の娘スカーレット(ヴィヴィアン・リー)は、アシュレー(レスリー・ハワード)に好意を抱いていたが、彼はメラニー(オリヴィア・デ・ハビランド)と結婚してしまう。勝気なスカーレットが、逆上のあまりとった行動とは・・・・。
 また、野性的な男、レット・バトラー(クラーク・ゲーブル)との出会いが、彼女の運命を変えていく。レットと結婚してからもアシュレーを忘れられないスカーレット、レットへの真実の愛に目覚めたときは、すでに全てを失っていた―。
 戦時下、時代に翻弄されながらもたくましく生き抜くスカーレット。逆境にも負けず、故郷タラの土への愛情に目覚める姿をいきいきと描いた不朽の名作。

監督:ビクター・フレミング  1939年 アメリカ
原作:マーガレット・ミッチェル
ヴィヴィアン・リー


映画の中のコスチューム

アメリカ映画史上、名作中の名作、『風と共に去りぬ』。制作費は当時としては破格の600万ドル!スカーレット役を射止めたヴィヴィリアン・リーの輝くばかりの美しさは、コトバでは表せません^^。自分の友達には欲しくないタイプですが(笑)・・・・・・あの力強い生き方に共感を覚えた女性は多いでしょうね。

さてさて、映画に登場するコスチューム&ジュエリーが、これまた最高でございます。
衣裳部門が用意したスケッチは、ざっと450!そのうちのほとんどを手がけたのが、当時ハリウッドでもトップクラスだった衣裳デザイナー、Walter Plunkettです。また、皇室御用達のドレスなどでも有名なフランスのデザイナー、Madame CARVEN がデザインをしたものもあります。

お針子さん達がせっせと作業して完成させたのは3000弱のコスチューム、1200ものユニフォーム。そりゃ、エキストラも含めたら、登場人物は異常に多いですもんねぇ^^;。 

スカーレットの戦時中のコスチューム(綿布のドレスみたいなの)だけでも27バージョン、製作後、わざと研磨材やら蜜蝋やらスチールブラシやらで汚れをつけて、それらしくしたんですって。

以下、特に有名なドレスを、イラストつきで見てみましょう!



スカーレット 映画の冒頭シーン、このウェディングケーキのような白いドレスを着て登場するスカーレットを見て、「ああ!これでこそお嬢様よ〜」と感動したのはわたしだけではないはず!スカーレット白のフリフリに真っ赤なリボンは、まさに乙女の王道です。(男性諸君はひいてしまうかもしれませんが・・・)
素材はピマ綿、襟元にはゴールド調のブローチをつけております。ここでは見えませんが、くつもおそろいで赤色。

ワガママぶりには目をつむりたくなるほど、やっぱりかわいいスカーレット♪


とーっても有名な、「カーテンのドレス」。これがまた、緑が似合うんですねぇ、ヴィヴィアン・リーって。生命力の緑は、いきいきとしたスカーレットのイメージにもピッタリです。

貧困のさなか、スカーレットはお金の工面のため、獄中のレットに会いに行きます。レットを魅了する必要があるので、ボロボロの服なんて着ていけない・・・。そこで、我らがスカーレットは、ビロードの緑のカーテンから豪華なドレスを作り出してしまいます。ドレープや金の房飾りが、ちゃーんとカーテンを連想させます。

製作秘話として、この緑の色目に苦労したそうです。もちろん、ヴィヴィアン・リーの目(瞳)に合う色でなきゃダメだし、テクノカラーの規格に合わないとダメだし、太陽光にさらされたカーテンの風合いも出さなきゃならないし。

耳には、エメラルドとダイヤモンドのイヤリング。これまた、ヴィヴィアン・リーにピッタリ!

スカーレット



スカーレット

アシュレーの誕生日パーティにて。スカーレットの情熱、そしてレットの嫉妬の炎を象徴すべく、くっきりと目立つ赤がひときわ印象的ですね。 

ワインレッドのベルベッドの素材に、ガーネット色の石が散りばめられていて、飾りとしてダチョウの羽がふさふさ。イラストでは分かりませんが、ゴールド台のガーネットのブレスレットとイヤリングはアンサンブルです。

スカーレット
首のラインをを可憐に飾る、さんごのネックレス。さんごのイヤリングとおそろいで、なんともキュート!夢見る乙女の頃のスカーレットにピッタリですね^^。



スカーレット

気高いブルーと白のコントラストが際立ったコスチューム。ヴィヴィアン・リーはパッと目立つ容貌ですので、こういう濃い色もさらっと着こなせるんですねぇ。

スカーレットとレット
スカーレット
なんとも形容しがたいデザインのドレス。白黒のアクセントがきいていますが、フツーの人が着てもこうは似合わないでしょうねー(笑)。レットの肩に手をまわすスカーレット・・・・袖がすごいことになっております。
個人的に言えば、前髪のくりくりと縦ロール(俗に言う"お姫様パーマ")がかわいいです♪


オスカー授賞式にて

ヴィヴィアン・リーは、この『風と共にさりぬ』と、後に『欲望という名の電車』で2度、アカデミー主演女優賞に輝いております。美貌だけでなく、ちゃーんと演技力も備わった女優さんなんですねぇ。
では、『風と共に去りぬ』でオスカーを手にしたときの装いに焦点を当ててみましょう。

アメシストペンダント ヴィヴィアン・リー

会場には、真っ白なふわふわもこもこのアーミン毛皮のコートをはおっての登場。むむむ、いきなり大女優の貫禄です。コートの下には、シックな花柄のドレスで、露出度もかなり高め。大きく開いた胸元には、アメシストのファセット・カットのペンダントが。カラーストーンをあしらった大ぶりのアンティーク・ブレスレットもつけています。スカーレットのような豪華なコスチュームもすてきですが、素肌におおぶりの一つ石、というのも良いですね。まさに女盛りの輝き、へんにこてこてと飾るより、よりいっそう美しさをひきたててくれます!

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