映画の中のジュエリー
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『エビータ』

ストーリー

 貧しい家庭に生まれ育ったエヴァ(マドンナ)は、女優を目指し、15歳で首都ブエノスアイレスへにやってくる。野心と美貌を武器に、次々と男性を利用し、女優の道を上り詰める。26歳のころ、ある慈善パーティで陸軍大佐ホアン・ペロン(ジョナサン・プライス)と出逢い、結婚。大統領選に出馬したペロンを強力にバックアップして当選させる。
 ファーストレディとなったエヴァは富と権力、民衆からの絶大な信頼を得て、自らも積極的に国政に参加。やがて民衆から副大統領候補にと望む声が上がったが、エヴァは病に倒れてしまい、33歳のという若さで生涯を終える−。

マドンナ

監督:アラン・パーカー
      1996年/アメリカ

映画の中のコスチューム

エビータ1 エビータ2 エビータ3

エビータの愛称で知られたエヴァ・ペロンは、アルゼンチンの「聖母」として、民衆に深く愛された女性です。権力を得てからは積極的に労働者の立場改善に尽力しますが、その反面自らは贅沢三昧だった、とも言われています。映画の中でも、「民衆は私を賛美したがっている」「虹の高みに君臨するの」なんてセリフがありますね。ただ、単に贅沢を楽しみたいというよりは、自分を商品として民衆に売り込んでいる、という感じですかね^^。

さて、そのセリフどおり、賛沢なファッションが続々と登場して、まさに目の保養になる映画といえるでしょう。フェンディの毛皮、クリスチャン・ディオールのドレス、フェラガモの靴、そして輝くジュエリーなどなど、ゴージャスな装いを身にまとい、歌う歌う、おどるおどる(笑)。何と、映画の中で使われた衣裳は85着もあったとか!同じものはほとんど身に付けていませんね。帽子、靴、イヤリングも、それぞれ50を越えるアイテムです。

実際、映画の中の衣裳は、エヴァ・ペロン自身が身に付けていたもの元にデザインされたそうです。ただ、やはりマドンナの方が実際のエヴァ本人よりもスタイルがいいわけですから・・・(笑)、いろいろアレンジもあったそうです。


ブルガリのブローチ

トレンブラン・ブローチさて、映画の中ではさまざまなジュエリーが登場しますが、その中でひとつのブローチをピック・アップしてみましょう。エヴァ・ペロン自身、ブローチを使ったおしゃれを好んだといいます。

映画の中でマドンナが付けたブローチ(左イラスト)は、ブルガリの「トレンブラン・ブローチ」のレプリカです。本物は47カラットのダイヤモンドにプラチナ、何ともゴージャス^^!

“トレンブラン”とは、フランス語の“ぶるぶる震える”という意味からきています。デザインの下部にスプリングが施され、胸元に着けて歩くと、その部分が揺れて、花びらゆれているように見えるのです。この技法は19世紀には既に開発されていますので、アンティーク・ジュエリーなどにも見られますね。

ブルガリが自ら記録に基づいてレプリカを手がけたそうで、セットとしてイヤリングも製作されました。なくなった時のために2ペアのイヤリングを用意してくれたといいますから、なかなかこまやかなサービスですねぇ(笑)。



エヴァ・ペロンのファッション
エヴァ・ペロンさて、ここでは実際のエヴァ・ペロンのファッションについて。

映画の中のマドンナからも分かるように、エヴァのファッションはひたすら「エレガント」で「フェミニン」。女性らしい華やかな装い、トップにボリュームのあるアップスタイルやゴージャスな巻き髪などなど、まさに“ドレス・アップ”という感じですね。

ヨーロッパ訪問の際には(映画の中の「レインボー・ツアー」)、日に何度も着替えることもしばしば、行く先々でファッションが注目されました。賛美、誹謗中傷といろいろありましたが、毎日のように雑誌や新聞を賑わせたとか。そうそう、『タイム』の表紙にも載ったんですって。

ちなみに、彼女は太りやすい体型だったとか。イラストのエヴァは、けっこうぽっちゃりしていますよねぇ^^。彼女の写真を見ても、細いときと、そうでないときがまちまちです(笑)。女優としてもトップの地位を築いたエヴァですが、実際、あまり演技は上手ではなかったとか^^;。ただ、やはり人をひきつけてやまない「華」があったんでしょうね。



ブローチ
1998年4月6日、、エヴァが愛用していたアルゼンチンの国旗型ブローチが、NYのクリスティーズの競売で99万2500ドルの高値をつけました。日本円にして、約1億4千万・・・・!

エヴァが公の場で好んでつけたというブローチ、彼女はこれをつけて写真をとられるのを好んだとか。

プラチナ台で、棒の部分は7つのバケットダイヤモンド、旗の部分には何百ものスクエア・カットのサファイア&ダイヤ、そして旗の中央はイエローダイヤモンドがセットされています。

実際の見積もりは8万ドルから12万ドルと言われていますから、8倍以上の値がついたということですね。まさに、恐るべし影響力!!
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