エビータの愛称で知られたエヴァ・ペロンは、アルゼンチンの「聖母」として、民衆に深く愛された女性です。権力を得てからは積極的に労働者の立場改善に尽力しますが、その反面自らは贅沢三昧だった、とも言われています。映画の中でも、「民衆は私を賛美したがっている」「虹の高みに君臨するの」なんてセリフがありますね。ただ、単に贅沢を楽しみたいというよりは、自分を商品として民衆に売り込んでいる、という感じですかね^^。
さて、そのセリフどおり、賛沢なファッションが続々と登場して、まさに目の保養になる映画といえるでしょう。フェンディの毛皮、クリスチャン・ディオールのドレス、フェラガモの靴、そして輝くジュエリーなどなど、ゴージャスな装いを身にまとい、歌う歌う、おどるおどる(笑)。何と、映画の中で使われた衣裳は85着もあったとか!同じものはほとんど身に付けていませんね。帽子、靴、イヤリングも、それぞれ50を越えるアイテムです。
実際、映画の中の衣裳は、エヴァ・ペロン自身が身に付けていたもの元にデザインされたそうです。ただ、やはりマドンナの方が実際のエヴァ本人よりもスタイルがいいわけですから・・・(笑)、いろいろアレンジもあったそうです。
さて、映画の中ではさまざまなジュエリーが登場しますが、その中でひとつのブローチをピック・アップしてみましょう。エヴァ・ペロン自身、ブローチを使ったおしゃれを好んだといいます。
映画の中でマドンナが付けたブローチ(左イラスト)は、ブルガリの「トレンブラン・ブローチ」のレプリカです。本物は47カラットのダイヤモンドにプラチナ、何ともゴージャス^^!
“トレンブラン”とは、フランス語の“ぶるぶる震える”という意味からきています。デザインの下部にスプリングが施され、胸元に着けて歩くと、その部分が揺れて、花びらゆれているように見えるのです。この技法は19世紀には既に開発されていますので、アンティーク・ジュエリーなどにも見られますね。
ブルガリが自ら記録に基づいてレプリカを手がけたそうで、セットとしてイヤリングも製作されました。なくなった時のために2ペアのイヤリングを用意してくれたといいますから、なかなかこまやかなサービスですねぇ(笑)。
|