映画の中のジュエリー
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 オードリー・ヘップバーン

永遠の“妖精”として、衰えることのない人気を誇るオードリー・ヘップバーン。スクリーンの中の生き生きとした表情、可憐なしぐさに魅せられた人も多いはず。

彼女は、映画の中でどんな宝石を身に付けていたのでしょう。また、彼女のおしゃれテクを覗き見してみましょう!

プロフィール
 1929年5月4日ベルギーのブリュッセル生まれ。父はアイルランド系英国人で母はオランダ王室直系の家柄。
 幼い頃の夢はバレリーナになること。少女期に両親の離婚、父親の失踪、第二次世界大戦の勃発など、苦しい時代を経験している。
 戦後、ダンサー、コーラスガール、舞台女優などを経験、1953年「ローマの休日」でアカデミー主演女優賞を獲得、話題の中心となる。
 1954年メル・ファーラーと結婚して一児ショーン君をもうけるが、68年離婚。翌年、10歳年下のイタリア人の精神科医アンドレア・ドッティ氏と再婚、一児をもうけた。
 生涯の最後の4年間を、ユニセフ親善大使として献身的に活動した。


ローマの休日 Roman Holiday

1953年 アメリカ   監督:ウィリアム・ワイラー 
出演者:オードリー・ヘップバーン、グレゴリー・ペック、エディ・アルバート
アン王女
 ローマを訪問中、某小国の王女アン(オードリー)は、王室の“おつとめ”にうんざりし、大使館から抜け出してしまう。そこで出会った米通信社記者ジョー・ブラッドレー(グレゴリー・ペック)は、うまく口説いて大スクープをものにするつもりだったが、二人は恋に落ちていく・・・。
 ローマを舞台にした、不朽のラブ・ストーリー。

ダイヤイヤリング

ダイヤティアラ世界中にオードリー旋風を巻き起こした、あまりにも有名な作品ですね。街へ飛び出し、ショートカットにしたオードリーもとびきりキュートですが、ジュエリーとして注目するべきは、やはり王女さまの姿!エレガントなドレスをまとい、ダイヤモンドのティアラ、ネックレス、イヤリングがまぶしいほどに美しい。ウェディングドレスのパッケージでも、「アン王女風のティアラ」は未だに人気が高いのだとか。とはいえ、こんなゴージャスなティアラやネックレスは、つけていく場所も限られてしまいますね。ティア・ドロップ型のイヤリングなら、いろんなおしゃれが楽しめそう。耳元できらきらゆれて、気分はすっかり王女様♪




ティファニーで朝食を       
ホリー
Breakfast at Tiffany's


1961年 アメリカ  監督:ブレイク・エドワーズ 
出演者:オードリー・ヘップバーン、ジョージ・ペパード

 舞台はニューヨーク。コールガールのホリー(オードリー)はネコと二人暮し、テイファニーのショーウィンドウを眺めながら朝食をとることが大好きだった。
 ある日、彼女のアパートの隣室に、売れない新人作家、ポール(ジョージ・ペパード)が引っ越してくる。最初はとまどいながら、とらえどころのない彼女に次第に惹かれていくが、ある日、ホリーが事件に巻きまれ・・・・。


原作はトルーマン・カポーティ。なんでも、彼はホリー役に
マリリン・モンローを思い描いていたとか。

この映画では、都会的センスいっぱいのストーリーはもちろん、オードリーの小粋なファッションが存分に楽しめます。ジバンシーの黒のドレスに夜会巻きの髪、おおぶりのアクセサリーなど、うっとりするほどかっこよく着こなしていますね。その他のシーンでも、シンプルで洗練されたドレス&おしゃれなアクセサリーの組み合わせがお手本となりますヨ。
ブルーボックスタイトルにも登場する『ティファニー』といえば、言わずと知れた高級宝飾店。「エンゲージリングに、ティファニーのブルーボックスを♪」なんて女の子の憧れですね。

さて、この映画が公開されたのが1961年、当時はティファニーの存在はまだまだ日本人には知られていませんでした。「レストラン?ホテル?喫茶店?」なんて思い込んだ人も多かったようです。もちろん、映画のヒットとともに、ティファニーの知名度もぐんとアップ。

ティファニーの創業は1837年、もともとは文房具とファンシー・グッズの店としてニューヨークにオープンしたのです。宝石店として名をはせたのが何十年も後のこと。1886年には、ティファニー・セッティングと呼ばれる6本爪のセッティングを発表、婚約指輪の定番となりました。




麗しのサブリナ Sabrina

1954年 アメリカ  監督:ビリー・ワイルダー 
出演者:オードリー・ヘップバーン、ハンフリー・ボガート、ウィリム・ホールデン
サブリナ
 大富豪ララビー家のお抱え運転手の娘、サブリナ(オードリー)は、一家の次男でプレイボーイのデビッド(ウィリアム・ホールデン)への想いが叶わず、傷心のうちにパリに旅立つ。
 2年後、洗練されたレディに変身して帰国したサブリナに、デビッドはメロメロ。しかし、彼には政略結婚の相手が。。二人の仲を裂こうと、長男で仕事人間ライナス(ハンフリー・ボガート)がある策略を思いつくが、自分もだんだんとサブリナの魅力に惹かれていく・・・・。               
サブリナ
茶目っけたっぷりのオードリーを楽しみたいなら、ぜひ『サブリナ』をご覧あれ!アカデミー衣裳デザイン賞にも輝くこの作品、ジバンシーの華麗なドレスがひときわ魅力的です。オードリーが着用した、足首よりも少し短い、丈がぴったりとしたパンツは「サブリナ・パンツ」、フラットのシューズは「サブリナ・シューズ」なんて呼ばれるようになりましたね。オードリーとジバンシーが運命の(?)出会いをしたのも、この作品です。

ジュエリーに関していえば、シンプルなイヤリングがたくさん登場します。パールのイヤリングや、地金の輪っかのイヤリングなどなど。揺れる輪っかのイヤリングは、現在でも定番デザインとして人気ですが、オードリーもこよなく愛していたよう。この映画以外でも、写真集やポートレイトに度々登場します。



パリの恋人 Funny Face

1957年 アメリカ  監督:スタンリー・ドーネン  
出演者:オードリー・ヘップバーン、フレッド・アステア、ケイ・トンプソン
ジョー
NYの古本屋で働くジョー(オードリー)は、哲学にしか興味のないインテリ娘。ひょんなことから、ファッション雑誌「クオリティ」のモデルとなって、編集者マギー(ケイ・トンプソン)、有名なカメラマン、ディック(アステア)と共にパリに行くことに。見違えるように美しく変身したジョー、撮影をこなしていくうちにディックとの間に愛が芽生えていく・・・・。

オードリーをさす「ファニー・フェイス」という言葉を
流行らせた、ポップなミュージカル映画。

ダイヤティアラ

最初、茶系のじみ〜な服装から、ファッションモデルとして華々しく変身するオードリー。見所は、パリの名所に、もちろんジバンシーの華やかなドレスたち。役柄がモデルとあって、それこそ着せ替え人形にように、数々のすてきなショットが楽しめます!

イラストのオードリーは、変身したばかりのジョー、これにはカメラマンのディックもびっくり。下向きのダイヤのティアラがこれまたおしゃれ。アン王女のティアラほど派手じゃないから、パーティーなどでもひきたつのではないかしら?

 

マイ・フェア・レディ イライザ
My Fair Lady
1964年 アメリカ  監督:スタンリー・ドーネン
出演者:オードリー・ヘップバーン、レックス・ハリスン、ウィルフレッド・ハイド・ホワイト、スタンリー・ハロウェイ

貧しい花売り娘のイライザ(オードリー)は、ある日、言語学者のヒンギス教授(R・ハリスン)と出会う。イライザの下品な訛り・言葉使いには教授もビックリ。その後、ヒンギス教授とピカリング大佐の賭けによって、特訓の末、洗練されたレディに変身する、というシンデレラ・ストーリー。


ブロードウェイ・ミュージカルの映画化。歌は吹き替えなんですねぇ。もともと舞台でイライザ役を演じていたJ・アンドリュースでなく、オードリーを起用したことで、舞台関係者・ファンから非難の声が上がったとか。

粗野な下町娘イライザが、レッスンを重ねるごとに、身も心も美しく見違える過程がとてもすばらしく表現されています。洋服の質も、ぐんぐんとアップ^^。アスコット競馬場のシーンでは、貴婦人たちのドレス・ドレス・ドレスのオンパレード!オードリーは、白を基調に黒のストライプがアクセントになった、華やかなドレス&帽子を着こなしています。ヒギンス教授は、「シンプルでエレガントなドレス」を選らんだらしいんですけど、あのフリル&リボンでは、果たしてシンプルの部類に入るのかしら(笑)?

華やかさの極めつけは、なんといっても舞踏会のシーン!ビーズ刺繍が施された真っ白なドレスにが印象です。髪はこれでもか、とばかりに高く結い上げられ、揺れるダイヤモンドのティアラに、ゴージャスなチョーカー型のネックレス(イラスト参照)。とにかく、首がなが〜〜い!!映画のイライザは20歳前後、34歳に なったオードリーの筋張って きた首筋を隠す為にデザインされた、とかいう話ですが・・・。それでも、こんなネックレスを着こなせるのは、オードリーならでは!




オードリー・ヘップバーンのおしゃれポイント

 髪はショートかアップスタイルで、耳元にイヤリング―これが、オードリーの基本的なジュエリー使い。特に、真珠か輪っかのぶらさがったものが、映画の中でも度々登場しています。
コスチューム映画は別として、普段のおしゃれでも、あまりネックレスの類をしていないのが特徴ですね。
 オードリーは、どちらかといえばエラが張っていて四画顔。首も標準より長い。ですから、かえってアクセサリーを必要としないのかもしれません。
 衣装に関していえば、オードリーのジバンシー好きは知られたところ。オードリーとジバンシーはファッションを通じての友情に支えられ、映画の中でも、ジバンシーの華やかな衣装が大活躍していますね。靴は、フェラガモがお気に召していたとか。
 背伸びしすぎないおしゃれ、というのがオードリー風。欠点は欠点として認め、自分のテイストを大切に!
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