専門知識

★素材・・・

ストーンカメオはめのうから、シェルカメオはコルネリアン、サルドニクスという貝から作られます。

コルネリアン・・ マダガスカル島付近で採取される貝で、シェルカメオでは最もよく使われます。赤茶色がベースでホワイトの層が重なり、その色のコントラストを生かして彫刻されます。
サルドニクス・・ カリブ海で採取されます。厚めの層で、大理石のような仕上がりになります。深い面のこげ茶と浅い面の白のコントラストが強く、貝が希少なため、値段は高くなります。
その他、トルコ石、ラヴァ・ストーン、珊瑚、ベニ貝や黒蝶貝なども用いられます。



★シェル・カメオの彫刻工程・・・

シェル・カメオに使われる貝は、貝殻が厚く、層によって色が微妙に違うものに限られ、形の良い貝でも一枚からとれる製品はわずか数個に過ぎません。

1. 材料となる貝を乾燥させて水分を抜きます。
2. 材料の原貝を半分にカットします。(片方は土産用や比較的安価な装飾品に加工されますが、もう片方の厚みのある、色の濃い部分がカメオに使用されます。)
3. 半分になった貝は、さらに面に合わせてカットされ、側面を整えられます。
4. 細かくカットされた貝の裏側は、なめらかになるよう角をとられ、それから彫刻しやすいように木の棒につけられます。(外側のある程度の曲面は彫刻のために残されます。)
5. 貝の上に下絵を描き、彫刻が始まります。多くのカメオ彫刻家は窓際に座って自然光を利用し、ほとんどの作業を手作業で行います。ひとつのカメオを彫り上げるまでには、数時間、もしくは数日かかることもあります。

★主要産地・・・

イタリア南部の素朴な港街、トーレ・デル・グレコ。さんごの収穫地として知られていたこの街がシェル・カメオを生産するようになったのは19世紀で、それ以来、世界における”シェル・カメオのメッカ”としてその名をほしいままにしています。世界中のシェル・カメオの95%が生産されていると言われ、街全体が職人達を保護し、育てています。

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